コンクリート外壁のひび割れは、漏水や仕上げの不具合につながることがあります。誘発目地は、ひび割れを計画した位置に誘導し、その位置で防水処理を行うための工夫です。目地の位置だけでなく、深さ、鉄筋との関係、シーリングの連続性まで一緒に確認しましょう。

1.ひび割れ幅は、防水性と仕上げ条件を合わせて考える

防水性の観点から、下記数値を「有害なひび割れ」として記載していますが、建物の性能・仕様ごとに許容すべきひび割れ幅について、個別に設計図書等を確認するようにしてください。

提供資料に示されたひび割れ幅の区分
条件幅
防水性の観点による基本の区分0.06 mm以上
弾性吹付タイル・モルタル・タイル仕上げの場合0.2 mm以上

2.誘発目地の深さと断面欠損率を確認する

外壁の誘発目地は壁の内外に設けます。ふかしを含む壁厚に対し、内外の目地深さを合計した断面欠損率が目安として20%以上となるように検討します。

3.柱際・開口部・腰壁・パラペットに合わせて配置する

誘発目地の配置と納まり
場所・条件確認する内容
一般の外壁縦の誘発目地は柱際に設けるとともに、3 m以下の間隔で設ける。柱から離れた位置にずらさず、柱際の納まりを確認する。
開口部開口部の両側に誘発目地を設ける。
目地位置の鉄筋継手誘発効果が低下するため、誘発目地位置に鉄筋の重ね継手を設けない。
1階の腰壁地中部分の構造部材による拘束が強いため、1 m程度の間隔で縦方向に誘発目地を設け、腰壁天端にも目地を設ける。
水切り欠込み・開口部上部躯体の隅角と誘発目地のずれに注意する。目地のシーリング部に欠込みを設け、上端型枠にも目地棒等を取り付けて、応力を誘発目地に集中させる。水切り欠込みがない場合や開口部上部も同様に検討する。
パラペット外壁の誘発目地の間に1~2箇所追加し、目地間隔を細かくする。

4.横目地とシーリングを連続させる

横目地(打継ぎ目地)は、各階コンクリートの打継ぎ部に設けます。シーリングの連続性を考慮し、目地深さは誘発目地と同じにします。

目地処理の確認事項
対象確認する内容
外部の現わし目地シーリング材を充塡する。使用材料は、仕上げや目地条件に対応した設計仕様を確認する。
誘発目地のシーリング提供資料では、目地部の動きが小さいことを前提として、目地全面にプライマーを塗布し、三面接着とする扱いが示されている。
タイル張りの目地図では、目地位置の張付けモルタルをかき取り、発泡体と弾性シーリング材を用いた納まりを示している。仕上げ材で目地をふさがないよう確認する。
内部を湿式仕上げとする場合誘発目地・打継ぎ目地と同じ位置に、化粧伸縮目地を設ける。

三面接着の記載は、この資料の誘発目地の条件についてのものです。動きの大きい目地などへ一律に適用せず、設計仕様と採用するシーリング材の施工条件を確認します。

記録に残すこと

目地の位置・間隔・深さ、壁厚、誘発鉄筋の径と本数、防錆処理、開口部や水切りとの納まり、仕上げとの取り合い、シーリング材の仕様を記録します。変更した場合は、担当設計者・工事監理者との確認内容と、施工図への反映を残しましょう。

本記事は実務学習のための一般的な確認の視点です。個別案件の適否・寸法・検査条件は、適用する設計図書・法令・規準と、担当設計者・工事監理者の確認に基づいて判断してください。

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