打継ぎ部では、位置を決めることに加え、打継ぎ面の清掃、仕切り材の固定、鉄筋位置の維持、止水の連続性を確認します。打込み前に見えなくなる部分ほど、施工図と写真を対応させて記録します。

通常のRC造・SRC造の躯体コンクリートを対象とします。鉄筋付きデッキプレート床などの無支保工床板は各工法の要領書、高強度コンクリートの水平・垂直分離打設(V.H工法)は設計図書に従います。

1.打継ぎ位置を施工図で決める

打継ぎ位置と形状は、まず設計図書の特記を確認します。特記がない場合は、次の位置を基本に、工事監理者・設計者と打ち合わせます。

部位ごとの打継ぎ位置
部位・条件確認する位置・納まり
梁・床スラブ・屋根スラブスパン中央付近の、せん断力が小さい位置とする。小梁の有無も含めて打継ぎ線を計画する。
支保工が不要となるビーム・トラス・デッキ等かかり代を40 mm以上確保し、梁上で打ち継ぐ方法などを工事監理者・設計者と協議する。
柱・壁原則として梁(地中梁・基礎梁を含む)またはスラブの直上とする。
壁の垂直打継ぎスラブの打継ぎ位置と合わせる。外壁では止水を考慮し、誘発目地と合わせる。
柱・壁と土間土間コンクリートを後打ちする納まりを確認する。
片持ちスラブ支持部との一体性を確保し、先端立上りの有無も含めて一体打ちの範囲を確認する。
パラペット・立上り水上から100 mm以上の位置に打継ぎを設ける納まりを確認する。
耐圧盤・基礎梁・逆梁・ウォールガーダー梁・スラブとの関係によって打継ぎ可能位置が異なる。断面詳細を作成し、工事監理者・設計者と協議する。

2.柱・壁の水平打継ぎは、清掃と表面処理をそろえる

階ごとの水平打継ぎの確認項目
確認項目施工上のポイント
型枠内部の清掃ごみがたまりやすいため、掃除口や清掃手順を事前に計画する。
外壁の目地打継ぎ部に打継ぎ目地棒を取り付け、止水・仕上げの納まりと合わせる。
先打ちコンクリートの仕上げ表面を平らに均す。柱内では中央を10~30 mm盛り上げ、水引きの状態を見て木ごてずりを行う。
レイタンスの除去残っている部分をワイヤーブラシや高圧水洗浄機等で除去し、健全な面を出す。
次回打込み直前打継ぎ面を水湿しする。型枠内にたまった水やごみは残さない。

3.壁・梁・スラブの垂直打継ぎは、仕切りと排水を確認する

垂直打継ぎの施工確認
確認項目管理する内容
仕切り材の選定エキスパンドメタル・ラス網を打ち込む場合は、材料と位置について工事監理者の了解を得る。打継ぎ面にウレタン塗装合板は使用しない。
仕切り型枠の固定コンクリートの側圧に耐え、モルタルが流出しないよう堅固に取り付ける。
配筋の保持鉄筋の位置・間隔を乱さない。仕切り型枠を取り付けた後から差筋する方法は行わない。
清掃口隣接する梁・壁の型枠内に、先打ちコンクリートのノロやごみを残さない位置に設ける。
排水独立柱や梁型枠に入った水を打込み前に排除する。特に紙ボイド型枠など水密性の高い型枠に注意する。
エアフェンス使用後梁底・スラブ型枠上のバリや脆弱部を取り除く。

4.スラブの駄目穴を閉じる前に、継手筋を確認する

駄目穴の打継ぎで確認すること
項目確認内容
継手筋ダブル配筋とする。所定の継手長さと上下の位置を確認する。
継手筋の折曲げできるだけ折り曲げない。折り曲げた場合は、復旧時に直線となるようにする。
継手長さが不足する場合接合方法を施工詳細で決める。機械式接合(資料の例ではOSフープクリップ)または溶接を採用する場合は、適用条件を確認する。
仕切り材付近の支持バー型スペーサーを仕切り材の近くに配置する。
仕切りの形状後打ち側の充填を妨げないようテーパー等を検討し、打継ぎ前に仕切り材・ごみを除く。梁際の例ではスペーサー高さ20 mm以上の納まりを確認する。

5.地下の打継ぎは、止水材を連続させる

地下の耐圧盤・梁・外壁等の打継ぎ部には、帯状の非加硫ブチルゴム止水板等を連続して設置します。部材の途中だけでなく、水平打継ぎと垂直打継ぎの交点でも止水材が途切れないよう計画します。

止水材の施工確認
確認箇所確認内容
耐圧盤の垂直打継ぎ止水材の固定位置、先打ち・後打ち側への納まり、打込み時の移動の有無を確認する。
地下外壁の垂直打継ぎ横矢板側を含めて止水板の経路を施工図に記載する。
地下外壁の水平打継ぎ打継ぎ面の中央に止水材が来るよう位置を決め、必要な埋込みを確保する。
接続・端部使用製品の接続方法に従い、浮き・ねじれ・途切れを確認する。

記録に残すこと

打継ぎ位置図、仕切り・止水の断面詳細、配筋と継手の確認結果、レイタンス除去後の写真、清掃・排水の確認結果、工事監理者・設計者との協議内容を残します。

本記事は実務学習のための一般的な確認の視点です。個別案件の適否・寸法・検査条件は、適用する設計図書・法令・規準と、担当設計者・工事監理者の確認に基づいて判断してください。

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