まず押さえること

型枠の位置・寸法の確認と、支保工の計画・取外し条件の確認を区別して行います。

なぜ確認するのか

完成するコンクリートの形が正しくても、打込み中や脱型時の状態まで適切とは限りません。型枠と支保工には施工中に作用する荷重があり、その計画は施工者の責任と専門的な検討を伴います。構造設計・監理の担当者は、必要な図書と確認範囲を明確にします。

確認するポイント

  1. 通り芯、レベル、部材断面、開口、段差を施工図と照合する。
  2. 埋込み金物や構造スリットなど、打込み後に直しにくい部分を確認する。
  3. 支保工の計画書、支持する下部の条件、荷重の扱いを確認する。
  4. 取外しの順序と判断資料、上階工事や資材載荷との関係を確認する。
  1. 基礎・梁側・柱・壁のせき板は、強度と存置日数を確認する

下記項目は、JASS 5(2018)の基本仕様またはこれらに準じた仕様で施工するRC造・SRC造を対象としています。高強度コンクリートには適用しません。実際の取外しは、当該工事の設計図書・特記仕様書と、工事監理者・設計者が確認した施工計画に従って判断します。

基礎・梁側・柱・壁のせき板は、計画供用期間の級が短期・標準の場合は5 N/mm²以上、長期・超長期の場合は10 N/mm²以上の構造体コンクリート強度を確認するまで存置します。

存置期間の平均気温が0℃以上の場合は、下表の材齢以上が経過すれば、取外し判定のための圧縮強度試験を行わずに取り外すことができる扱いです。セメントの種類と、存置期間中の平均気温を組み合わせて確認します。

表1 せき板の存置期間を定めるためのコンクリート圧縮強度および材齢
確認項目早強ポルトランド
セメント
普通ポルトランドセメント
高炉セメントA種
高炉セメントB種中庸熱ポルトランドセメント
低熱ポルトランドセメント
高炉セメントC種
コンクリートの圧縮強度短期・標準:5 N/mm²以上
長期・超長期:10 N/mm²以上
平均気温15℃以上の材齢2日3日5日6日
平均気温5℃以上
15℃未満の材齢
3日5日7日8日
平均気温0℃以上
5℃未満の材齢
5日8日10日12日

平均気温は、上表の材齢に達するまでの期間を対象とします。1日の平均気温には、最高気温と最低気温の平均値を用います。取外し当日の気温だけで判断しないようにします。平均気温が0℃未満の場合には、この材齢表をそのまま適用しません。

  1. せき板を外した後も、湿潤養生を続ける

せき板の取外しと、湿潤養生の終了は分けて判断します。取り外した後も、短期・標準の場合は10 N/mm²以上、長期・超長期の場合は15 N/mm²以上に達したことが確認されるまで、湿潤養生を実施します。

表2 せき板の取外しと湿潤養生の強度の違い
計画供用期間の級せき板取外しの強度湿潤養生を継続する強度の目安
短期・標準5 N/mm²以上10 N/mm²以上に達したことを確認するまで
長期・超長期10 N/mm²以上15 N/mm²以上に達したことを確認するまで

スラブ下・梁下のせき板は、支保工を取り外す時期と同時に取り外す扱いとし、支保工の盛替えは原則として行いません。

  1. 支保工は、部材の種類と取外し後の荷重を確認する
表3 支保工の存置条件
対象部材・条件確認する内容
一般のスラブ・梁構造体コンクリートの圧縮強度が、その部材の設計基準強度に達したことを確認するまで存置する。
荷重負担の大きい部材最上階以外で、小梁が直交する大梁などは、設計基準強度に達していても取外しで悪影響が生じる可能性があるため、設計者・工事監理者・技術担当者と協議する。
取外し後の荷重が設計荷重を上回る場合存置期間だけで判断せず、計算によって十分安全であることを確かめた後に取り外す。
片持梁・片持スラブ
単層の場合
その部材の構造体コンクリートの圧縮強度が設計基準強度に達したことを確認するまで存置する。
片持梁・片持スラブ
複層の場合
最上階の構造体コンクリートの圧縮強度が設計基準強度に達したことを確認するまで、下階の支保工をすべて存置する。計算によって十分安全であることを確かめた場合は取外し可能とするが、その場合も最低2層受け以上とする。

大スパン構造、下階より上階のスラブが厚い構造、特殊な構造・工法など、施工中の荷重の影響が大きい場合は、構造体の安全性を計算で確かめ、工事監理者・設計者と協議します。上階の打込み計画や資材載荷の予定も、支保工の取外し計画と一緒に確認しましょう。

取外し判定に使用する供試体の採取・養生・試験条件は、「コンクリートの品質を確認する」も参照し、当該工事の検査計画と照合してください。

場面で考える

確認手順を考えるための想定例

下階の支柱を外した後に、上階の打込みや資材の集中載荷を予定している場面です。単に「脱型できる日になった」ではなく、その後の荷重を支える計画まで照合します。

迷ったときの進め方

支保工の配置変更や早期取外しの提案は、必要な検討資料を施工者へ求め、確認権限を持つ担当者につなぎます。現場の見た目だけで安全と判断することはできません。

記録に残すこと

確認した計画の版、変更内容、取外し判断に用いた資料と日付を保存します。型枠寸法の是正と支保工計画の変更を混同しないように記録を分けます。

参考資料

国土交通省「公共建築工事標準仕様書」公開版の案内(令和7年版) ↗

確認日:2026年9月6日。確認項目を考えるための参考資料です。本記事の説明や想定例は、資料の引用ではありません。記事内に示す適用版と、リンク先の公開版は区別して確認してください。

本記事は実務学習のための一般的な確認の視点です。個別案件の適否・寸法・検査条件は、適用する設計図書・法令・規準と、担当設計者・工事監理者の確認に基づいて判断してください。

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