EXTERIOR / 06

ALCの湿式仕上げは下地と乾燥を確認する

パネル精度、乾燥期間、吸水調整と仕上げ材の組合せを確認します。

1.ALCパネルの取付けと乾燥を確認する

材料の条件と施工時の確認事項を分け、次の項目を確認します。

ALCの取付精度と乾燥
確認項目条件・確認内容
パネルの目違い仕上げ下地としての精度を上げるため、パネル相互間の目違いが3mm以下になるように正確、強固に取付けます。このため、下地鉄骨精度を確保すると共に、パネル仮置の際の平積みによる反りやねじれに注意します。
乾燥期間板の表面が十分乾燥してから(建込み後2週間以上経過してから)仕上げに着手します。仕上げ着手後、降雨によりパネル面が濡れた場合は5日間の乾燥期間をおきます。この期間内に仕上げに着手する場合や長雨などで乾燥が不十分な場合は、表面含水率の測定を行います。
ALCパネルの取付けと乾燥を確認するの確認
確認する項目条件と確認のポイント
破損と目違いの補修破損部分はできるだけ早い時点で、メーカー指定の補修材料で取付け業者に補修させます。板の目違いを直せない仕上げ材料の場合は、予め板表面を削って目違いをなくします。
目地と二重壁塗装等の仕上げを行う場合は、ALC板間は目地形状をあらわす仕上げとし、原則目地つぶしは行いません。冠壁など壁の両面が外部となる部位でALCを単独で使用すると、ALC内部に雨水が長期的に滞留し、鉄筋の発錆によるひび割れや爆裂の恐れがあるので、原則として2重壁とし、内部を通気させます。

2.仕上げ材を選定する

仕上げ材を選定するの確認
確認する項目条件と確認のポイント
吸水対策と材料選定ALCは吸水性が大きく、湿式仕上げをする場合はドライアウトし易いので、下地面への吸水調整材塗布(仕上げの種類によって異なるので、後述の施工上の留意点を参照)と、塗り仕上げ材への保水材の混入などを行います。外壁や浴室等の水の影響を受けるところ、また、直接雨はかからなくても塩害を受けやすいところでは透水しにくい仕上材料を選定します。
透湿性と母材強度ALCの呼吸性(ALCに含まれる湿気が環境によって増減すること)を妨げないよう、両面を透湿しにくい材料で仕上げません。パネルの母材強度が低いため、付着状態が悪いと表面剥離を起こし、付着状態がよくても強度の高い材料で仕上げると母材の表層剥離を起こすので、以下に基づいて検討します。
強度と収縮率強度の低い材料を選びます。収縮率の小さい材料を選びます。
柔軟性と吸水調整伸び率の大きい柔軟な材料を選びます。ALC面に塗布タイプまたは塗布・混入両用タイプの接着増強剤を吸水調整材として塗布する(塗装下地のプライマーは塗料メーカーの仕様による)。
仕上げ代仕上げ代をできるだけ薄くする(左官塗り仕上げ・タイル張り仕上げの場合)。

3.仕上げの種類ごとに施工を確認する

仕上塗材塗り

仕上塗材塗りの確認
確認する項目条件と確認のポイント
乾燥と下地処理ALC板は十分乾燥した状態とし、メーカー指定のALC用下地処理を行います。特に目地カット部分を入念に行います。

石膏系左官材料塗り(内部に限る)

石膏系左官材料塗り(内部に限る)の確認
確認する項目条件と確認のポイント
塗り厚と吸水調整総塗り厚を10mm以下で計画し、既調合の材料はメーカーとよく打合わせて使用します。ALC板は十分乾燥させた状態で、酢ビ系の塗布タイプまたは塗布・混入両用タイプの接着増強剤をメーカーの指定する濃度で十分な量(塗布時に完全に濡れ色になる量)をむらなく塗布し、乾燥させます。
下塗り下塗りはALC板表面の気泡を潰すようにしごき塗りします。

ALC用既調合セメント系左官塗仕上材料

ALC用既調合セメント系左官塗仕上材料の確認
確認する項目条件と確認のポイント
塗り厚と希釈濃度総塗り厚が10mmを超えないように計画する(実際の塗り厚が10mmを超えるとALCの表層が母材破断し剥離を起こす可能性が大きい)。ALC板は十分乾燥させた状態で、塗布タイプまたは塗布・混入両用タイプの接着増強剤を5~6倍液に薄めて十分な量(塗布時に完全に濡れ色になる量)をむらなく塗布します。
塗り回数と仕上げ下塗りはALC板表面の気泡を潰すようにしごき塗りします。2回塗り仕上げを標準とし、上塗りが適度に締まったら既調合ののろがけセメントを掛け金鏝で仕上げます。
乾燥養生急激な乾燥を避けます。

塗装仕上げ

塗装仕上げの確認
確認する項目条件と確認のポイント
パテの選定と乾燥原則としてパテの使用は避けます。やむを得ず合成樹脂系パテしごきで下地を造る場合は、外部はアクリル系エマルションパテ、内部は酢ビ系エマルションパテとします。下地は十分乾燥させます。
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