EXTERIOR / 08

壁モルタル塗りの下地・材料・塗り厚を確認する

工法ごとの塗り厚、塗り重ね時期、材料と養生の条件を確認します。

1.下地コンクリートを確認する

材料の条件と施工時の確認事項を分け、次の項目を確認します。

下地コンクリートを確認するの確認
確認する項目条件と確認のポイント
補修と仕上げ代型枠解体後、直ちにコンクリート面を点検し、じゃんか(豆板)、コールドジョイント、打ち継ぎ部分の補修を行います。納まりに影響なく仕上げ面を動かすことができる場合は、各モルタル塗り工法に応じた仕上代になるように仕上げ面を設定します。
脆弱部の除去と目荒し外壁の下地コンクリート表面は、超高圧水洗浄(JSS工法)又は、全面サンダーがけ水洗いにより脆弱部の除去をかねた目荒しを行います。斫りのみによる目荒しは、モルタルとの界面に空隙ができ、浮きの原因になるので避けます。

2.使用材料を確認する

モルタルの材料条件
確認項目条件・確認内容
セメントセメントは普通ポルトランドセメント・フライアッシュセメントA種・高炉セメントA種とします。
砂砂は不純物の少ない(特に泥分3%以下、塩分は塩化ナトリウム換算で0.04%以下)中目(粗粒率2.5 程度)又は中荒目(同2.8程度)を5mmのフルイを通して用います。
保水材モルタルの乾燥が特に速いと予想される場合(階段室・廊下・屋外など)は、保水性を考慮してメチルセルロースを使用します。混入量はセメント重量に対して夏期0.2%(冬期は夏期の1/2程度)以下とします。
吸水調整材希釈して使用する吸水調整材は、原則として日本建築仕上学会規格M-101「セメントモルタル塗り用吸水調整材の品質基準」に適合し、かつ、樹脂固形分濃度が45%前後の製品を使用する(公共建築協会建築材料等評価名簿に記載されている吸水調整材のうち、樹脂固形分濃度が45%前後の製品を採用するとよい)。
セメント混和用ポリマーモルタルに混入するセメント混和用ポリマー(エチレン酢ビ系・アクリル系・SBR系等)は、JIS A 6203「セメント混和用ポリマーディスパージョン及び再乳化形粉末樹脂」に適合する製品のうち、樹脂固形分濃度が45%前後の製品を使用します。
使用材料を確認するの確認
確認する項目条件と確認のポイント
塗装下地の上塗り塗装仕上げ下地の上塗りはノロがけ専用材料を用いるとよいでしょう。

3.工法ごとの塗り方を確認する

外部薄塗り工法

外部薄塗り工法の確認
確認する項目条件と確認のポイント
塗り厚と吸水調整塗り厚は10 mm以下を目安とし、塗り厚に応じた既調合の薄塗り材を用います。コンクリート面の吸水調整として、メーカーが指定する濃度に希釈した吸水調整材(5倍希釈液が多い)を塗布し、乾燥させる(施工の前日に塗布するとよい)。
練混ぜと現場添加の禁止セメント混和用ポリマーが混入済みの一材型を除き、セメント混和用ポリマーをメーカーの指定する濃度に希釈した液でモルタルを練ります。現場でセメントや砂を絶対に混ぜません。

サンドモルタル工法

サンドモルタル工法の確認
確認する項目条件と確認のポイント
塗り厚と吸水調整塗り厚は5~20 mmとします。コンクリート面の吸水調整として、メーカーが指定する濃度に希釈した吸水調整材(5倍希釈液が多い)を塗布し、乾燥させる(施工の前日に塗布するとよい)。
骨材と調合骨材はメーカーが指定する外部用とします。調合はセメント:骨材=1:1とし、セメント混和用ポリマーの6倍液で練ります。
下塗りと散水養生サンドモルタルには現場で砂を絶対に混ぜません。外部用サンドモルタルを下塗りします。むら直しをする場合はこの後行います。下塗りの翌日は必ず散水養生を行います。
中塗り・上塗り中塗り及び上塗りは同上サンドモルタル、普通モルタルとします。既調合モルタルを使用する場合は、外部薄塗り工法に準じてモルタルを練ります。

普通モルタルのポリマー入りセメントペースト工法

普通モルタルのポリマー入りセメントペースト工法の確認
確認する項目条件と確認のポイント
塗り厚と調合塗り厚は10~25 mmとします。普通モルタルの調合は下塗り、中塗り、上塗りでそれぞれ調整を行います。
吸水調整とペースト塗りコンクリート面の吸水調整として、メーカーが指定する濃度に希釈した吸水調整材(5倍希釈液が多い)を塗布し、乾燥させる(施工の前日に塗布するとよい)。セメント混和用ポリマー入りセメントペースト塗り(厚さ0.5~1.0 mm程度):セメント混和用ポリマー入りセメントペーストを鏝塗りします。
下塗りとむら直し下塗りは、先に塗ったセメント混和用ポリマー入りセメントペーストが指で押してへこむうち(5分以内が目安)に行います。下塗りの1回の塗り厚さは6 mm程度とし、くし目引きします。多少の不陸は下地なりに塗ります。むら直し:下塗り面に不陸がある場合は、下塗り完了後むら直しを行い、くし目引きします。
塗り重ねの間隔
確認項目条件・確認内容
中塗り中塗りモルタルは下塗りモルタルのくし目引き表面の脆弱部を金鏝で取り除き、水湿しのうえモルタルを塗ります。中塗りの時期は下塗り(又はむら直し)後、14日以上(長いほど望ましい)経過させます。
上塗り上塗りモルタルは中塗りモルタル塗付け後1~2日たってから、所定の仕上げをします。

4.厚塗り・可使時間・養生を確認する

厚塗り・可使時間・養生を確認するの確認
確認する項目条件と確認のポイント
剥離剤と目地型枠剥離剤のうちコンクリート表面に残るものは使用しません。外壁コンクリートの誘発目地・打継ぎ部及び異種下地の取合い部にはモルタル仕上げ目地を設けます。誘発目地に対しては同位置の内外共に設けます。
急激な乾燥の防止急激な乾燥を防ぐため外部はシート養生、内部は窓ガラスはめ込み後に着手するよう工程に留意します。
塗り厚と施工管理の目安
確認項目条件・確認内容
厚塗り時の補強モルタルの全塗り厚さ(つけ送りを含む)が過大(目安として35mm以上)な場合は、溶接金網(2.3 φ-50×50程度)を下地コンクリートに固定して、中塗りに塗り込みます。外部や、内部で湿気の多い部分では、ステンレス製を使用します。
可使時間普通モルタルの可使時間は夏期1.5時間、冬期2.5時間を目安とします。
1回の塗り厚一回に塗るモルタルは厚さ9mmを限度とします。厚く塗る必要があるときは2回以上に分けて塗ります。
低温時の施工塗り付け場所の気温が5°C以下の時に施工する場合は、採暖などの養生を行います。
厚塗り・可使時間・養生を確認するの確認
確認する項目条件と確認のポイント
軽量コンクリートと鏝軽量コンクリート下地への水湿しは、骨材が十分吸水し気泡がでなくなるまで行います。鏝圧を大きくするため下塗り用鏝は小さめ(5寸程度)のものを使用します。
くし目引きと振動防止下地モルタル、むら直しモルタルのくし目引きは丁寧に行い、深くしません。モルタル塗り着手後は、背面からの振動、衝撃を与えません。
冬期の散水養生冬期の散水養生は日中に行い、凍害を避けます。
← 外壁の記事一覧に戻る

関連する記事