1.コンクリート下地を目荒らしする
目荒らし方法を施工前に選び、コンクリートの強度や工事規模に応じて試験施工を行います。
総外壁タイル張り面積が100m²以下の小規模工事で、塗装していない型枠を使用している場合は、確実に処理することを前提として、JSS工法にかえて全面サンダー掛けと水洗いによる方法も採用できます。呼び強度40 N/mm²以上のコンクリートは表面強度が高く、目荒らしが困難であるので、JSS工法及び全面サンダーがけ水洗いを採用する場合は、事前に試験施工をして、目荒し深さと目荒し密度を確認します。あるいはウェブフォーム工法を適用できます。
サンダー掛けをした面及び下地処理後に粉塵や汚れが付着した場合は、ブラシを併用して水で粉塵等を洗い落とします。
| 処理方法 | 内容と目安 |
|---|---|
| JSS工法(超高圧水洗浄) | 振動回転式ガンから超高圧水を吐出して表面を削る。処理時間の目安3~5分/m²、一般壁面の歩掛り150 m²/車・日程度 |
| 全面サンダー掛け水洗い | カップリングサンダーで全面を丁寧に削り、ブラシ併用で水洗いする。処理時間の目安3~5分/m²、労務歩掛り40~50 m²/人・日程度 |
| ウェブフォーム工法 | 特殊不織布を型枠に取り付けて凹凸を形成し、その上に張る。機械的な緊結効果を持たせる甲種相当の工法 |
2.下地モルタルの材料と塗り厚を決める
使用材料を統一し、必要な塗り厚に対して補強と塗り回数を決めます。
使用材料(吸水調整材、建築用下地調整塗材)は1社品で統一します。また、モルタルの塗り厚及び塗り回数の詳細はメーカーの仕様に従う。希釈して使用する吸水調整材は、原則として日本建築仕上学会規格M-101「セメントモルタル塗り用吸水調整材の品質基準」に適合し、かつ、樹脂固形分濃度が45%前後の製品を使用する(公共建築協会建築材料等評価名簿に記載されている吸水調整材のうち、樹脂固形分濃度が 45%前後の製品を採用すると良い)。
タイル張り下地モルタルの使用材料は、原則として、JIS A 6916「建築用下地調整塗材」に規定される「CM-2」の認定品または適合品で、かつ、再乳化形粉末樹脂を混入済みの一材型品とします。現場でポリマーディスパージョンを混入する既調合モルタルや現場調合モルタルは採用しません。タイル張り下地は全面モルタル塗りとします。弾性接着剤でタイルを張る場合及びモザイクタイル張りの場合は、特に下地の精度に留意します。
タイル張り下地モルタルの実際の塗り厚は最小3 mmとし、塗り厚に応じて選定します。躯体計画時のタイル張り下地モルタルの塗り厚は、最低でも全面1回塗りが可能な厚さとします。つけ送りを含むモルタルの全塗り厚さが過大な場合は(目安として35 mm以上)、ステンレスメッシュ (2.3φ-50×50 程度)をステンレスアンカーにて下地コンクリートに固定(@400 程度)して、中塗りに塗り込みます。
3.下地モルタルの表面と養生を確認する
タイルの張付け材料によって、下地モルタルの表面仕上げを変えます。
タイル張り下地モルタルの施工にあたっては、コンクリート面の吸水調整として、メーカーが指定する濃度に希釈した吸水調整材(5倍希釈液が多い)を塗布し、乾燥させる(施工の前日に塗布するとよい)。モルタルでタイルを張る場合の下地モルタル表面は、木ごてや樹脂ごてなどで粗面に仕上げます。曲面は金ごてで平滑に仕上げがちなので、平滑に仕上げすぎないように特に注意します。接着剤でタイルを張る場合は、下地モルタル表面を金ごてで平滑に仕上げます。
こて圧を大きくするため下塗り用こては小さめ(5寸程度)のものを使用します。一回に塗るモルタルの塗り厚はメーカーの仕様によることとし、最大でも厚さ9 mmを限度とします。厚く塗る必要があるときは2回以上に分けて塗ります。モルタルのくし目引きは丁寧に行い、深くしません。モルタル塗り着手後は、背面からの振動、衝撃を与えません。冬期の散水養生は日中に行い、凍害を防止します。
4.甲種の接着剤張りを確認する
弾性接着剤は適合品を選び、下地面の吸水調整材の有無とくし目方向を確認します。
弾性接着剤は、原則としてJIS A 5557「外装タイル用有機系接着剤」に適合する変成シリコーン樹脂系とします。タイル張り下地モルタル面には絶対に吸水調整材は塗布しません。弾性接着剤はくし目ごてを使用してくし目引きをし、タイルを揉み込むように圧着張りします。また、くし目はタイル裏足に直交する方向または斜め方向に引く。三~四丁掛けタイル、厚いタイルや裏足が高いタイルは、試験施工で事前に施工性を確認します。
タイル張り作業箇所の温度が5℃以下となる場合は、作業を中止するか、張付け後3日目までは採暖や保温養生を行います。
5.乙種のモルタル張りを確認する
吸水調整と張付けまでの時間を管理し、モルタルを塗り置かないようにします。
使用材料(吸水調整材、タイル張付けモルタル)は、原則として1社品で統一します。希釈して使用する吸水調整材は、原則として日本建築仕上学会規格M-101「セメントモルタル塗り用吸水調整材の品質基準」に適合し、かつ、樹脂固形分濃度が45%前後の製品を使用する(公共建築協会建築材料等評価名簿に記載されている吸水調整材のうち、樹脂固形分濃度が 45%前後の製品を採用すると良い)。
タイル張付けモルタルは、公共建築協会建築材料等評価名簿における既製調合モルタル(タイル工事用)の品質・性能に適合する製品を使用します。タイル張り下地モルタル面にメーカーが指定する濃度に希釈した吸水調整材(5倍希釈液が多い)を塗布し、乾燥させます。タイル張付けモルタルにはくし目は引かず、必ず金ごてでモルタルを平らにならす。タイル張付けモルタルは塗り置かず、短時間でタイルを張ります。
タイル張り作業箇所の温度が5℃以下となる場合は、作業を中止するか、張付け後3日目までは採暖や保温養生を行います。
6.目地詰め・清掃と外部の養生を確認する
タイル裏の空洞を残さず、清掃時は酸の残留と周辺材への影響を防ぎます。
冬期の施工や白華の目立ちやすいタイルの場合は、裏足凹部のモルタル及び弾性接着剤充塡率検査の頻度を増すなど、タイルの裏側に空洞をつくらないように厳しく管理します。特に伸縮目地際には空洞を残さないようにします。目地モルタルは既調合目地用モルタルとします。目地詰めは、小口タイル以上の場合は目地モルタルを充塡後に、空洞ができないように追掛けて目地こてで十分押えます。モザイクタイルは目地モルタルを塗り込み後に十分に拭き取る。施工後はタイル洗いをできるだけ早期に行います。
タイルの洗いは水洗いが望ましいです。希塩酸(工業用塩酸 30 倍液)を使用する場合は、タイル及びサッシ、ガラスなどに十分散水し、水養生してから酸洗いをします。酸が残らないよう後の水洗いを十分に行います。型枠剥離剤のうちコンクリート表面に残るもの(廃油等)は使用しません。急激な乾燥を防ぐため外部はシート養生後に着手するよう工程に留意します。