1.材料と割付けを確認する
工法と使用材料を設計仕様・発注に明示し、割付け図の承諾を得ます。
タイルはJIS A 5209(2014年版)「セラミックタイル」に適合する I類(強制吸水率3%以下)又は、II類(強制吸水率10%以下)のタイルとします。寒冷地の場合は、JIS A 1509-9「耐凍害性試験方法」に合格するタイルを使用します。 ※JISでは、凍害を受けるおそれのある場所に使用するタイルは、吸水率による区分に係わらず耐凍害性を試験で確認するように規定しているが、具体的な地域や部位は定義していないため、個々に設計者の承諾を得ます。
2.目地幅・深さと伸縮目地を決める
一般目地と、下地の動きを逃がす伸縮目地を分けて計画します。
目地の色は見本張りなどをして十分検討してから決定し、工事監理者のみでなく、施主の了解を得ます。伸縮目地の間隔は通常3~4m程度とし、特に凸曲面にタイルを張る場合は2m程度とします。躯体の目地及び構造スリット上には、タイルの伸縮目地を必ず設けます。一般の伸縮目地の幅は原則として10 mm以上、構造スリット上の伸縮目地幅は15 mm以上とします。構造スリット上の伸縮目地内はモルタルや発泡プラスチック(スタイロフォーム等)などは必ず取り除き、弾性シーリング材やバックアップ材等の軟らかい材質で構成します。
金物を使用する乾式工法(金物と弾性接着剤を併用する工法を含む)で張るタイルや、300角を超えるタイルの目地は弾性シーリングとします。
| タイルの種類 | 目地幅(mm) |
|---|---|
| 50角・50二丁~50四丁 | 5 |
| 小口・二丁掛 | 6~10 |
| 三~四丁掛 | 8~12 |
目地深さは次の表を目安とします。寒冷地では、表の条件を満たし、かつ3 mm以下とします。
| タイルの種類 | 目地深さ |
|---|---|
| 50角・50二丁~50四丁 | タイル厚さの1/3以下 |
| 一枚張り・タイル厚さ18 mm未満 | タイル厚さの1/2以下 |
| 一枚張り・タイル厚さ18 mm以上 | 9 mm以下 |
3.タイル種類と養生期間から甲種・乙種を選ぶ
工法種別は、張付け材料と張り方を一組で決めます。躯体の養生期間は原則15日以上を確保します。
タイル張り工法種別を変更または統一する場合は、甲種を選定します。下地コンクリート表面の下地処理方法は、原則としてJSS工法(超高圧水洗浄)とします。タイル張り下地は全面モルタル塗りとします。部分的な不陸補修を施したコンクリート面へのタイル直張りは原則禁止とします。コンクリート表面の下地処理及び下地モルタル塗りは、躯体の養生期間内に行います。
| タイルの種類 | 甲種 | 乙種 |
|---|---|---|
| 50角・50二丁・50三丁 | 弾性接着剤/接着剤張り | モルタル/モザイクタイル張り |
| 50四丁・ボーダー・小口・二丁掛~300角 | 弾性接着剤/接着剤張り | モルタル/密着張り |
| タイルの種類 | 躯体の養生期間 | 冬期 | 中間期 | 夏期 |
|---|---|---|---|---|
| 50角・50二丁・50三丁 | 30日以上 | 乙種 | 乙種 | 乙種 |
| 50角・50二丁・50三丁 | 15日以上30日未満 | 甲種 | 乙種 | 乙種 |
| 50四丁・ボーダー・小口・二丁掛(厚さ15 mm以下) | 60日以上 | 乙種 | 乙種 | 乙種 |
| 同上 | 30日以上60日未満 | 甲種 | 乙種 | 乙種 |
| 同上 | 15日以上30日未満 | 甲種 | 甲種 | 乙種 |
| ボーダー・小口・二丁掛(厚さ25 mm以下) | 15日以上 | 甲種 | 甲種 | 甲種 |
| 二丁掛を超え300角以下(厚さ25 mm以下) | 15日以上 | 甲種 | 甲種 | 甲種 |
4.大形・厚物タイルの剥落防止を確認する
標準的な寸法から外れるタイルは、接着だけでなく金物による保持を検討します。
厚さ25 mmを超えるタイルは、弾性接着剤でタイルを張ることとし、なましステンレス線で吊るなどの剥落防止策を併用します。一辺が 300 mm を超える大形タイル(ボーダー状のものを含む)は、弾性接着剤でタイルを張るとともに金物で緊結します。接着剤の塗布方法としては全面くし目引きの他ビード状、ダンゴ状があり、下地の精度やタイル寸法、施工しろを考慮して選択します。
ビード状、ダンゴ状では接着剤の塗布量及び押しつぶしの程度はメーカーの仕様に従う。金物による緊結方法としては、タイル裏に穴を設けて巻きばねを取り付ける方法や、タイル裏に設けた溝にハンガー金物を引っ掛けて保持する方法などがあります。また、一辺が 600 mm を超える等の重量があるタイルの場合は荷重受け金物で受ける。金物を使用する乾式工法を採用する場合は、強度計算等により安全性について十分検討します(メーカーの工法資料を確認します)。
ブラケット足場等、コンクリート表面の下地処理やタイル張り作業が困難な条件でのタイル張りは避けます。やむを得ずタイルを張る場合は、弾性接着剤でタイルを張ります。斜め壁へのタイル張りは、原則として禁止とします。
5.まぐさ・上げ裏と特殊工法の適用を確認する
落下の危険性が高い部位は、工法の適用可否を先に確認します。
まぐさタイルは、50四丁及び小口以上のタイルは全数についてφ0.6 mm以上(50四丁はφ0.4 mm程度)のなましステンレス線を付け、なましステンレス線を真上タイルの張付けモルタル及び弾性接着剤に埋込みます。 50 三丁以下のタイルは2枚おきとし、なましステンレス線はφ0.4 mm 程度とします。あげ裏等落下しやすい部分のタイル張りは禁止とし、落下の心配の少ない吹付け等の仕上げに変更を申し入れます。JASS19においてもあげ裏タイル張りは禁止されています。
メーカー開発の特殊なタイル張り工法(セメダイン弾性接着剤直張りタイルアジャスト工法など)を採用する場合は、事前に十分に検討します。