1.用途・水掛かり・荷重から材料を選ぶ

割付け図を承諾し、凍害と車両荷重に合う材料を確認します。

タイル表面がすべりにくいものとします。外部床のタイルは、JIS A 5209(2014年版)「セラミックタイル」に適合するI類(強制吸水率3%以下)又は、II類(強制吸水率10%以下)のタイルとします。寒冷地では、JIS A 1509-9「耐凍害性試験方法」に合格するタイルを使用します。凍結の可能性がある寒冷地の浴室や浴槽などの床も耐凍害性を確認します。

外部床及び浴槽床のように常時水掛かりとなる部分や裏足のないタイルを張る場合のタイル張付けモルタルは、白華を防止するとともにタイルの接着性を確保するため、JIS A 6916(建築用下地調整材) 付属書A(規定)タイル張付用モルタルの試験方法の規定に適合する既製調合のポリマーセメントモルタル(例日本化成 NSダブルワンシリーズ、タイルメントプレモルシリーズなど)を使用します。 300 mm を超える床タイルを張る場合のタイル張付けモルタルは、JASS19 M-101 大型床タイル張付け用セメントモルタルの品質基準に適合する製品※ を使用することが望ましいです。 ※:NSダブルワン床専用(日本化成)、太平洋FTモルタル(太平洋マテリアル)、イナメントHFモルタル、イナメントタフ(LIXIL) など。

目地モルタルは、原則として既調合目地モルタルとします。車両等の重量物が走行する可能性のある場所では、メーカーが指定する車道用などの専用タイルを使用します。

2.一般目地と伸縮目地を計画する

歩行を妨げず、壁・柱・異種材料との取合いで動きを逃がします。

目地幅は、こて押えが可能な幅とします。ただし、目地幅を2 mm程度として塗り込み目地とする内部用床タイルはこの限りではありません。床タイルの目地の深さは、歩行の支障にならないように平目地又は1~2 mm 程度の沈み目地とします。床タイルの伸縮目地の間隔を4m以内ごととします。特に外部で濃色(暗色)のタイルを用いる場合2m程度とします。壁や柱などとの取合いには原則として内・外部とも伸縮目地を設けます。

伸縮目地は、下地とタイルの動きを妨げない納まりとし、当該工事の施工詳細で確認します。タイルと異質な材料との取合いに伸縮目地を設けます。

3.寸法に合う工法と排水を決める

点付けによる空隙を避け、特に外部床は仕上げ面と躯体で水を流します。

接着剤による点付け張りはタイル裏に隙間が生じるため、歩行等によりタイルが割れやすくなるので採用しません。300 mm角以下の一般のタイルは密着張り又は圧着張りとし、ユニットタイルはモザイクタイル張りとします。mm角を超える大形タイルは、密着張りとします。ただし、歩行者や自転車の通行程度の床はセメントペースト張りも可とします。なお、試験施工を行い、大きな空隙や、特にタイル周囲に連続した空隙が残らないことを確認します。

メーカー開発の特殊なタイル張り方法 (LIXIL バックアンカー工法、タイルメント FTフロアー工法等)を採用する場合は、事前に十分に検討します。外部床タイル張りの場合は、白華防止のため排水上の工夫をすると共に、タイル仕上面及び躯体でも勾配をとり、側溝を設けるなどして水の滞留を防ぐ。

4.下地処理とセメントペースト張りを確認する

レイタンスを除去し、ペーストがタイル目地の全周からはみ出す状態を確認します。

コンクリート表面のレイタンスは、研磨機で除去します。やむを得ず、外部で直張りする場合はJSS工法(超高圧水洗浄)でレイタンス除去と目荒らしをします。セメントペースト張りは、調合1:4程度に少量の水を加えて機械練りしたバサモルタルを平たんに敷きならし、タイルを仮置きして叩き押えて高さを調整した後に一旦タイルを取り外して、セメントペースト(セメント1:水1~2程度(質量比))を流しタイルをよく叩き込むように張ります。このとき、タイル目地全周からセメントペーストがはみ出していることを確認します。

5.張付け厚さと大形タイルの充塡を確認する

振動・叩き込みによって空隙を残さず、必要に応じてタイル裏面にも塗布します。

密着張り又は圧着張り及びモザイクタイル張りは、下地の面精度を確保するため下地モルタル(厚さの目安20 mm程度)を塗ります。密着張り及び圧着張りは、張付けモルタルを5~7 mmの厚さで平らに塗り、振動あるいは叩き込みにより空隙が残らないように注意して張ります。モザイクタイル張りは、張付けモルタルを3~5 mm塗り、たたき板でタイルをよく叩き込んで張ります。

mm角を超える大型タイルを密着張りで張り付ける場合は、くし目高さが10 mm程度のくし目ごてを用いて張付けモルタルを塗り、振動あるいは叩き込みにより空隙が残らないように注意して張ります。モルタルの充塡に懸念がある場合は、タイル裏面へも張付けモルタルを塗布する改良圧着張りとすることもできます。コンクリートに直張りする場合は、既調合ポリマーセメントモルタルを用います。

床タイルの張付け厚さの目安
工法・材料厚さ・寸法
下地モルタル20 mm程度
密着張り・圧着張り張付けモルタル5~7 mm
モザイクタイル張り張付けモルタル3~5 mm
300 mm角を超えるタイルの密着張りくし目高さ10 mm程度。空隙が懸念されるときは裏面にも塗布

6.歩行制限と清掃を管理する

目地詰め後の養生と、水洗い・酸洗い時の残留物を確認します。

目地詰め後3日間は直接歩行をしない、その後通行するときは養生を施します。タイルの洗いは水洗いを原則とします。やむを得ず希塩酸(工業用塩酸30倍液)を使用する場合は、タイルや目地等に十分散水し、よく水を吸わせた後(水養生という)、酸洗いし、そのあと、酸が残らないよう水洗いをします。