1.設計かぶり厚さと仕上げ精度を決める

床の用途に応じた許容範囲を先に決め、スラブの構造品質と仕上げ精度を両立させます。

スラブ上端筋の設計かぶり厚さは30 mm(最小かぶり厚さ20 mm+10 mm)とします。屋外で仕上げのない場合は、設計かぶり厚さ40 mm(最小かぶり厚さ30 mm+10 mm)とします。

モノリシック仕上げ精度の処置限界値
適用場所基準処置限界値
防水層の下地基準勾配−5 mm/+20 mm
工場・倉庫の仕上床基準レベル−5 mm/+15 mm
一般事務室の張り物下地基準レベル−5 mm/+7 mm
巾木まわり2 mにつき3 mm以下

測定点が処置限界値を超えた場合は、次回の施工で再発防止策を講じます。測定点のうち5%を超える部分が処置限界値を超える場合は、床の機能、納まり、見栄えを検討し、必要に応じて研磨により高さを補修します。

2.精度と作業条件に合う工法を選ぶ

目標精度、作業員の技量、最終仕上げを踏まえて高さの基準を選びます。

当り出しの間隔は、定木の長さより短い間隔で、1.8~2.4mとします。

モノリシック工法の選び方
工法高さを決める方法確認する点
レベル工法荒均し後のコンクリート天端に直接当たりを出す定木ずりと同時にレベルを再確認する
ポイント工法Aレベルポイント金物を設置し、荒均し後に高さを調整する打込み中のポイント金物の保守
ポイント工法B倒れにくいポイントをサポート付近に設け、打込み前に高さを調整する作業性はよいが高精度を望みにくい
ピアノ線工法径1 mm以上の線を仕上げレベルに張る中継点の間隔3 m以下、たわみ・接触の防止
ガイドレール工法土間のガイドレール天端に合わせて定木ずりする振動ごてによるタンピングとの併用

3.レベルを安定させて工程を組む

仕上げ中に測定基準を動かさず、コンクリートの状態を見て作業を進めます。

施工は、コンクリート打込み、木ごて荒均し、タンピング、定木ずり、機械ごてずり、金ごて押えの順で進めます。タンピングで粗骨材を沈め、長さ2.5 m程度のアルミ製定木で大きな波を均します。人が乗って表面がわずかに沈む程度になってから機械ごてを掛け、その後の金ごてで小穴や羽根むらを除きます。指で押してようやく沈む程度の時期に、最後の金ごて押えで平滑・密実に仕上げます。

測量機器(レベル)の精度を確認した後、振動の少ない場所(S、SRC造では鉄骨柱からのはね出しアーム上、RC造では隣接建物、階段室部分、下階に据えたレベル用架台上など)に据え、モノリシック作業中は盛り替えません。床の高さの精度を確保するため、コンクリートの打設速度は1時間当りの床面積を 120 m²以下に抑えます。壁ぎわ(巾木部分)やスラブの打継ぎ部分は特に高さの精度を必要とするので、念入りに仕上げます。

出入口の沓ずり、枠の下端つなぎ、フロアヒンジ等、床の欠込みを必要とする部分は、高さが調節できる支持金物で支持した浮き板をコンクリート打込み前に取り付けます。エンジン式の機械ごては音が大きいので深夜作業となる場合には、近隣への影響に注意します。

4.天候と硬化の進み方に合わせて仕上げる

雨打たれと過度なこて掛けは、仕上がりだけでなく表層品質にも影響します。

降雨が予測される場合はコンクリートの打込みを中止します。万が一、コンクリート打込みの途中で降雨にあった場合は、あとで研磨処理ができるよう、状況に応じて5~10 mm増し打ちします。仕上げの途中で降雨にあった場合、雨打たれを防止するため、シート等で養生します。後日、表面の脆弱部を研磨・除去し、かぶり厚さ不足、断面欠損の有無を調査し、必要に応じて適切な断面補修材で補修します。

最終の金ごて押えの作業は、スラブに打ち込まれたコンクリートが工場で混練されてから、気象状況を勘案して、夏期においては5時間程度、冬期においては10時間程度以内に終るようにします。(これらの時間を越えるとコンクリートの硬化が進み、荷重や振動によって悪影響がでる。)なおこの時間を調節する必要があるときは凝結遅延剤、または促進剤を使用します。騎乗式パワートロウェルを使用するモノリシック仕上げは、表層剥離する可能性があるので、原則使用しません。また、鏡面仕上げは行いません。

5.仕上げ後の立入りと乾燥を管理する

仕上げ直後の荷重・振動と、その後の急乾燥、汚れ、傷を防ぎます。

最終仕上げが終了したのちはスラブに荷重や振動を与えないよう、また仕上げ面が損傷しないよう、翌日1日間は墨出しや床養生作業を除いて立入りを禁止します。仕上げ中から仕上げ後5日間は、周囲のシート張り、表面のシート敷き、散水などによって、日射や風による急激な乾燥および寒気に対する養生を行います。コンクリート硬化後も仕上げ面の汚れ、損傷を防ぐため、養生シート、合板、足場板等を敷き並べておきます。

コンクリートあらわし仕上げの場合は、合板や足場板等をじか敷きすると、しみが付くので避けます。引渡し前に余裕をもってひび割れを調査し、補修を行います。