CFT柱は鋼管内部の状態が見えにくいため、充填工法の選定、コンクリートの性状、連続供給、打上げ速度、ダイアフラム付近の空気抜きまでを事前に計画します。充填後の蒸気抜き孔の処置も含めて、一連の作業として管理します。
1.敷地・鉄骨・供給条件から充填工法を選ぶ
一般的な充填工法の比較| 項目 | 圧入工法 | 落し込み充填工法 |
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| 方法 | 鋼管下部からポンプで圧入する。 | 鋼管上部からバケット・ホース等で充填する。 |
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| 適する場面 | 打込み高さが大きい、傾斜柱、上部からの落し込みが困難な場合。 | 節ごとに充填する積層工法。 |
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| 施工量の目安 | 80~100 m³/日程度 | 60~80 m³/日程度 |
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| 高さの目安 | 原則30 m程度以下 | 1節3フロア・13 m程度以下 |
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| 揚重・設備 | タワークレーン等を占有しない。ポンプ車が必要。 | 打込み中は揚重機を占有する。バケット・ホース置場が必要。 |
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| 鉄骨の条件 | 圧入口補強と、必要に応じた鋼管のはらみ防止補強を確認する。 | ダイアフラム開口の芯が見通せること。傾斜・芯ずれ柱では困難。 |
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| 主な注意点 | 長時間化・閉塞・圧力・未充填時に施工できる床階数に注意する。 | バケット容量と揚重能力、盛替えによる打重ね、分離・空気巻込みに注意する。 |
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| 雨天 | 鋼管内に雨が入らない養生を前提に計画する。 | 上部開口と機材の雨対策を含めて計画する。 |
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圧入高さが30 mを超えると時間管理が難しくなります。落し込みでは複数節をまとめて建てる屏風建てへの適否、夏期・長時間作業時のバケットやホースに付着したコンクリートの洗浄も検討します。
2.ポンプのブームを用いる落し込みは、適用範囲を確認する
ブームによる圧送落し込み| 項目 | 確認内容 |
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| 適用 | ブームが届く0節・1階立上り等。傾斜柱・芯ずれ柱には適用しない。 |
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| 長所 | 揚重機を占有せず、圧入口補強やバケット置場が不要。柱の盛替え時間を短縮しやすい。 |
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| 量・高さの目安 | 60~80 m³/日、3フロア・13 m程度まで。 |
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| U字管 | U字管を用いた落し込みは採用しない。引上げ時にU字管が回転し、ホースがダイアフラムに引っ掛かる危険がある。 |
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3.要求品質と調合管理強度を確認する
充填コンクリートの品質の目安| 項目 | 確認値・条件 |
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| ブリーディング量 | 0.1 cm³/cm²以下 |
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| 沈降量 | 2.0 mm以下 |
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| 目標空気量 | 2.0~4.5%に設定し、±1.5%で管理。認定に規定がある場合はそれに従う。 |
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| 塩化物イオン量 | 0.30 kg/m³以下。2003年以前の認定で0.20 kg/m³以下とされる場合はその条件を確認する。 |
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| 単位セメント量 | フロー60 cmの標準的な配合で425 kg/m³以上を目安とする。 |
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| 単位水量 | 175 kg/m³以下。認定に規定がある場合はそれに従う。 |
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| 分離抵抗性 | フローが真円に近く、モルタルと粗骨材が一体で広がること。粗骨材が残りモルタルだけ先行する状態を避ける。 |
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セメント・骨材の選定| 条件 | 材料選定の目安 |
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| Fc≦45 N/mm² | 普通ポルトランドセメント。 |
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| Fc>45 N/mm² | 中庸熱または低熱ポルトランドセメント。 |
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| Fc>80 N/mm² | 中庸熱または低熱ポルトランドセメントにシリカフュームを加えたもの。 |
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| 骨材 | 所要の圧縮強度・ヤング係数・ワーカビリティーを確保できるものを、工場検討と必要な試し練りで決める。 |
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4.工場の供給能力と試し練り結果を確認する
生コン工場の選定| 項目 | 確認内容 |
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| 認定・認証 | 必要な強度・性状を対象とする大臣認定または高強度JISの適用範囲を確認する。取得が必要な場合は準備期間を確保する。 |
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| 運搬時間 | 圧入は30分以内、落し込みは60分以内を原則とする計画を確認する。 |
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| 出荷能力 | 使用配合での時間当たり能力と、昼休み等に供給が途切れないかを確認する。 |
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| 出荷実績 | 使用予定の調合ごとに実績を確認する。 |
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試し練りは、実機プラントで実施工に近い条件を基本とします。圧入や実績が不十分な場合は原則実機とし、十分な実績がある場合やFc60 N/mm²以下の落し込みでは、室内試し練りによる確認が可能かを検討します。
試し練りの試験項目| 項目 | 時期・内容 |
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| 圧縮強度 | 材齢7日・28日。 |
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| フレッシュ性状の経時変化 | 0・30・60・90分。実機では120分、必要に応じ150分も確認。 |
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| 経時変化の測定項目 | スランプフロー、空気量、温度、参考として50 cmフロー時間・停止時間。 |
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| 塩化物量 | 採用配合の規定値を確認する。 |
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| 沈降量・ブリーディング量 | JASS 5 T503:2018、JIS A 1123等の適用試験方法で確認する。 |
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| 分離 | 目視で確認する。 |
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| 高性能AE減水剤の後添加 | 現場でのフロー回復に備え、原則として試し練り時に後添加試験を行い、条件・手順・性能を確認する。 |
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5.品質検査と充填時間を事前に決める
スランプフロー管理のCFT充填コンクリートは、設計基準強度だけで検査を簡略化せず、高強度コンクリートに準じて検査ロットと採取・判定条件を決めます。呼び強度45以下の高流動コンクリートを採用する場合も、別途適用条件を確認します。
検査と工程の共通確認| 項目 | 管理する内容 |
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| 受入れ | 受入検査の合格を確認して充填する。 |
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| 追加の性状確認 | 最初の3~5台と工場昼休憩後の1台目のスランプフローを確認する。不安定なら継続確認する。 |
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| 打上げ速度 | 1 m/分以下を基本に必要時間を計算し、実測して記録する。 |
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| 後添加 | あらかじめ認定条件・試し練り結果・工事監理者の同意を確認する。1回のみ、後添加後30分程度以内の打込み完了を管理する。 |
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| 出荷計画 | 検査、盛替え、圧送・充填に必要な時間を含めて作成し、工場と共有する。 |
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6.圧入工法は、1本の柱を連続して充填する
圧入のタイムスケジュール| 項目 | 計画の条件 |
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| 必要性能保持時間 | 柱に使用するコンクリートの練混ぜ開始から、1本の柱の充填終了まで原則120分以内。 |
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| 充填速度 | 1 m/分以下で所要時間を算定する。 |
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| 連続供給 | 柱1本分が連続して供給され、受入検査が完了したことを確認して開始する。 |
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| 台車を複数柱で使用 | 時間が長くなるため、必要に応じて柱1本分に積載量を調整する。 |
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| 中断防止 | 配管内の流動性を保つため連続施工する。閉塞・供給停止時の対応を事前に決める。 |
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当日の圧入管理| 段階 | 確認内容 |
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| 開始前 | 鋼管内の水を排出する。後着車が受入不合格となった場合は、適合する供給が確保されるまで開始せず、全車の時間条件も確認する。 |
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| 先送り | モルタルを鋼管内に入れず、フネ等で受けて廃棄する。 |
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| 圧入中 | 管理表に時刻・高さ・速度を記入し、1 m/分以下を確認する。荷卸し時と柱盛替え時の筒先で性状を目視確認する。 |
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| 性状低下 | 不適合のコンクリートは返却し、責任者へ報告する。中断位置と対応は事前に決めた施工計画に従う。 |
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| 終了位置 | 所定位置で止め、落ち着いた後に水抜き孔へ排水できるよう均す。 |
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圧入後の処置| 項目 | 時期・確認内容 |
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| 柱頭の余盛り | ボイド管を用いる例では、打込み終了後3~5時間を目安に、ブリーディングが落ち着いてから余盛りを除去する。 |
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| 蒸気抜き孔 | 翌日に栓を取り、鋼管の肉厚部分に詰まったコンクリートを除去する。 |
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| バルブ | 翌日に撤去する。 |
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| ふさぎプレート | 必要な溶接は充填コンクリートが設計基準強度に達したことを確認後に行う。中央のφ10 mm孔からグラウトを注入する納まりを確認する。 |
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| 柱上部 | 合板・シート等で養生する。 |
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7.落し込みは、ホース先端と打重ね位置を管理する
落し込みの事前計画| 項目 | 条件・確認内容 |
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| 時間 | 工場出荷から打込みまで原則120分以内を計画し、認定等の練混ぜ起算の時間制限も確認する。 |
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| 高さ・速度 | 1節3フロア・13 m程度以内、1 m/分以下。 |
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| 盛替えと打重ね | ダイアフラムの直下1 mの範囲で打重ねが生じないよう、バケット積載量と出荷間隔を調整する。 |
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| ホース等 | 曲がり癖のないトレミー管・サクションホースに1 mごとの目印を付け、検尺テープを準備する。 |
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| 鉄骨 | 本締め・溶接・検査を完了し、ダイアフラムの開口芯が鉛直に見通せることを確認する。 |
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| 機材 | バケット・ホースの置場、接続部の強度、ホッパーの作動、ジョイントの抜落ち防止を確認する。 |
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| 打継ぎ・蒸気抜き孔 | 圧入と同様に継手から300 mm以上下の打継ぎ位置、栓の納まりを確認する。 |
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落し込み当日と施工後| 段階 | 確認内容 |
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| 開始前 | 鋼管内の水を排出し、受入検査の合格を確認する。 |
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| 打込み開始時 | 自由落下高さを1 m程度以内にする。 |
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| 充填中 | ホース・トレミー先端を常にコンクリート中へ入れ、予定高さまで連続施工する。打上げ速度を測定・記録する。 |
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| 打込み終了 | 所定位置で止め、落ち着いたら水抜き孔へ勾配を付けて均す。 |
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| 後添加 | 事前に認めた方法で1回のみとし、30分程度以内に打込みを完了する。 |
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| 翌日 | 蒸気抜き孔の栓と肉厚部分のコンクリートを除去する。 |
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| 養生 | 鋼管上部を合板・シート等で覆う。 |
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8.蒸気抜き孔の機能を残し、記録をまとめる
蒸気抜き孔がコンクリートで詰まると、火災時に発生する蒸気が抜けにくくなります。充填中の漏れ防止の栓と、充填後の孔の開放を別々の確認項目とし、除去完了の写真を残します。
工法選定、認定・配合、試し練り、出荷・到着・開始・終了時刻、台車と柱の対応、受入試験、充填高さ・速度、後添加、打継ぎ位置、余盛り処理、蒸気抜き孔、バルブ撤去、強度確認の記録をまとめます。