EXTERIOR / 04

ガラス工事の発注・施工で確認すること

厚さ、納まり、熱割れへの配慮と、ガラスの種類別の確認事項を整理します。

1.発注前に厚さと納まりを確認する

発注・取付け・維持管理のどの段階で確認するかを意識し、次の項目を確認します。

発注前に厚さと納まりを確認するの確認
確認する項目条件と確認のポイント
発注条件サッシの発注に当たっては、ガラスの種類、厚さ(場所や階層によって異なることがある)、フレームへの納まり、固定方法、施工方法などについて下記を検討します。ガラスの厚さは、設計での検討結果を確認し、必要であればメーカー等に再検討させます。
クリアランスとかかり代ガラスとフレームの納まり寸法は、地震時におけるガラスの動きを考慮して、面クリアランス、エッジクリアランス、かかり代を決定します。ガラスの厚さが場所によって異なる場合は、ガラスの厚い方を基準として、サッシ現寸を決定します。押縁はガラスを入れる方向や、交換する方向などを考慮します。ガラスがやり返しとなる部分は、クリアランスに余裕を持たせるよう、サッシの現寸決定のとき十分検討します。
押縁と固定方法ガラスの取付け方向(破損の場合の取替えを含む)によって、内押縁式か外押縁式を決めます。ビス止めする場合のビスはステンレス製とし、スナップイン式の場合はシーリング材によって確実に押縁が固定される方法とします。ガラスの固定方法は、シーリング材による充塡を原則とします。
溝内の突起と排水孔サッシの製品検査のとき、ガラスの溝内の突起物(ビスの先端、組み立て時の突起等)が無いことを確認します。網入りガラス、合わせガラス、複層ガラスの下枠には排水孔を設けます。
熱割れの検討網入りガラス、熱線吸収ガラス(網入りを含む)やLow-Eガラスは、必ず状況(ガラスに落ちる影、ブラインド、カーテン、空調用吹出し、スパンドレル部分のあきなどの関係を含めて)に応じた熱割れ計算書を専門メーカーに作成させて事前に確認します。スパンドレル部分(腰部)に網入りガラス、熱線吸収ガラス(網入りを含む)やLow-Eガラスを使用すると熱割れする場合が多いので原則使用しません。

2.ガラス取付け時の注意点

ガラス取付け時の注意点の確認
確認する項目条件と確認のポイント
切断面ガラスの切断はカッターで切ったままの光沢のある状態(クリーンカット)とします。
ガラスの支持とシーリング材
確認項目条件・確認内容
セッティングブロックセッティングブロックは、硬度90度前後のクロロプレンゴム(ネオプレンゴム等)または耐シリコーンタイプの EPDM、シリコーン(SR)のブロックとし、取付け位置は一般の場合、下枠の両端から 1/4 幅の位置に2箇所を標準とします。竪軸回転等特殊な場合は、ガラスメーカーの規準によります。
シーリング材シーリング材は、シリコーン系シーリング材を使用します。プライマー処理については、シーリング材メーカーの仕様によります。
ブロックとの接触ガラス廻りのシリコーン系シーリング材とガラスセッティングブロックが接触する場合、シーリング材が変色するのでセッティングブロックはクロロプレンゴム(ネオプレンゴム等)は避けます。
ガスケットの継目グレイジングガスケットの場合は、ガスケットの継目は、防水性を考慮して上枠の中央にします。
ガラス取付け時の注意点の確認
確認する項目条件と確認のポイント
はめ込み前と養生ガラスのはめ込み前に溝内に異物や水分などが残っていないことを確認します。溶接火花、モルタルなどが付着する恐れがある場合は適切な養生をします。
クリーニングクリーニングは原則として水拭きとする(汚れが取れにくいときは磨き粉の入っていない中性洗剤を使う)。特に強化ガラスのクリーニングの際にはカッターナイフや金属のスクレーパーを使用しません。

3.ガラスの種類別に確認すること

網入りガラス

網入りガラスの確認
確認する項目条件と確認のポイント
切断と金網の腐食網入りガラス:エッジに露出する金網が腐食するとガラスが破損しやすくなります。ガラスの切断寸法に特に注意し、工場切断を原則とします。「くい切り」は使用しません。
切断面の防錆・止水切断面に全周メーカー指定のブチル系テープ(望ましい)あるいは防錆塗料を施します。ガラス溝に雨水が入らないようシーリング材で入念にシールします。
湿気の多い場所と管理プールや浴室のトップライト及び窓は、ガラスの室内側の止水が不十分になるので、ガラスの切断面に施したブチル系テープをアルミ箔の粘着テープで保護する仕様とします。その場合、アルミ箔へのシール施工は不可とします。熱割れのおそれがあるため、ガラス面に塗料を塗ったり、張り紙をしたりしないよう、建物管理者に申し入れます。

熱線吸収ガラス

熱線吸収ガラスの確認
確認する項目条件と確認のポイント
切断・取付けと管理ガラスの切断は必ずクリーンカットとし、はめ込みのとき、エッジに傷を付けないように細心の注意をします。熱割れのおそれがあるため、ガラス面に塗料を塗ったり、張り紙をしたりしないよう、建物管理者に申し入れます。

高遮蔽性能熱線反射ガラス・熱線反射ガラス

高遮蔽性能熱線反射ガラス・熱線反射ガラスの確認
確認する項目条件と確認のポイント
反射像と近隣への影響高遮蔽性能熱線反射ガラス・熱線反射ガラス:反射像のゆがみが目立ちやすくなります。また、反射光による近隣への影響も配慮します。サッシの取付け精度を上げると共にガラス面(外面)を同一にそろえます。ガラスのはめ込みのとき、必ず反射像の調整を行い、設計者又は施主の確認を得ます。
反射面の向きと養生反射面が片面加工の場合は、原則として反射面を室内側とする(高性能反射ガラスは、必ず反射面を室内側にする)。また、合せガラスにおいて反射面を合せ面にすると、反射率が変わることがあるので注意します。工事中の溶接火花、アルカリ、酸類などで反射膜がおかされるので特に注意する(養生方法はガラスメーカーと打合せる)。
清掃と熱割れ防止汚れが目立つので、ガラスメーカーの推奨する洗剤で、定期的に清掃するよう建物管理者に依頼します。熱割れのおそれがあるため、ガラス面に塗料を塗ったり、張り紙をしたりしないよう、建物管理者に申し入れます。
竣工後の清掃竣工後は、反射面を伝えクリーニング用スクイジー(ワイパー状の道具)のかどで反射面を傷つけぬよう、建物管理者に申し入れます。

複層ガラス

複層ガラスの確認
確認する項目条件と確認のポイント
用途と可動サッシ複層ガラス:主として断熱のためのもので、遮音効果は少ないものです。可動サッシの場合は、気密型を選ぶとともに、開閉時のショックが少ないサッシとします。
ガラスの組合せ網入り熱線吸収ガラスの使用は熱割れの心配があるので避けます。この場合、熱線吸収ガラスと網入りガラスの組み合わせとし、熱線吸収ガラスを外側に使用します。Low-Eガラスは、スパッタリング皮膜面を複層ガラスの空気層側とします。
映像のゆがみと封着材複層ガラスは温度変化(冬期)や気圧の変化によって内部空気の体積が変化し、ガラス面の映像がゆがみ映像調整できなくなるので、外部側のガラスは厚くします。複層ガラスの封着材(小口シール)に、ウェザーシールが取り合う場合は、封着材は超高モジュラスのアルコール形シリコーンとします。
ウェザーシールの施工時期ウェザーシール硬化不良の可能性があるのでガラス製造時の複層ガラスの2次封着材充塡後、1ヶ月以降にウェザーシールを施工する(ウェザーシールがアルコール形シリコーンの場合は、この限りではない)。
下枠の排水孔四方枠に複層ガラスが入る場合、封着部を長時間水に浸かった状態で使用すると、封着材のピンホールから水蒸気が入り内部結露が発生することがあるので、サッシ下辺部には水抜き穴(6φ以上)を 2か所以上設けます。

合わせガラス

合わせガラスの確認
確認する項目条件と確認のポイント
用途と中間膜合わせガラス:使用目的は、耐風圧強度、遮音、飛散防止、防犯性能の向上です。断熱性能には寄与しません。合わせガラスは、四周がサッシにのみ込まれる納まりとし、中間膜は SG(アイオノマー樹脂)膜又はPVB(ポリビニルブチラール)膜を使用します。
小口が露出する場合やむを得ず小口が露出するか、シールジョイントとなる場合は、SG 膜を使用することが望ましい条件です。 PVB 膜を使用して合わせガラスの製造方法に不備があると剥離する可能性がある(使用する場合は、合わせガラスの製造時に PVB 膜メーカーの規準による製造方法が実施されていることを必ず確認する )。
中間膜とシーリング材合わせガラス間のシールに高透明シリコーン(SR-1 のハイクリアー等)を使用すると、中間膜取合いよりシールに気泡が発生するため、高透明シリコーンは採用を避けます。

倍強度ガラス・強化ガラス・耐熱強化ガラス

倍強度ガラス・強化ガラス・耐熱強化ガラスの確認
確認する項目条件と確認のポイント
加工とヒートソークテスト現場での切断はできないので、工場で2次加工する前にフロートガラスの状態で切断や孔あけを行います。耐熱強化ガラスは孔あけを行いません。自然破壊を減少するためのヒートソークテストは強化ガラス、耐熱強化ガラスで実施するが、倍強度ガラスでは実施しません。
耐火認定と材料の組合せ耐熱強化ガラスは原則的に、耐火認定を受けた4辺支持のサッシに取付けます。防火設備(外壁で延焼の恐れのある開口部で20分耐火)や、特定防火設備(防火区画や防火壁、避難階段の出入口などで 60 分耐火)などに適用します。その場合、耐火認定を受けた際の、難燃性シリコーンと難燃性バックアップ材を使用します。特定防火設備は、ガラスとサッシが一体で個別認定されるため、必ず、認定を受けた材料の組合せを使用します。
単板使用の回避耐熱強化ガラスも自然破壊の可能性があるので単板では使用しません。耐熱強化ガラスを組み入れた合わせガラス又は複層ガラスとします。
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