1.石を保持する仕組みを確認する
石を保持する定着金物と、汚染を防ぐ裏面処理を区別して確認します。裏面処理材の接着力は耐力に見込みません。
| 確認する項目 | 条件と確認のポイント |
|---|---|
| 定着金物 | 石は定着金物(原則としてシアコネクター)で、十分な安全を考慮して保持させます。 |
| 裏面処理の目的 | 裏面処理は石のしみ、変色、濡れ色、ひびわれなどを防止する目的で必ず行います。 |
| 接着力の計算上の扱い | 裏面処理材とコンクリートとの接着力は、計算上無視します。 |
| 上げ裏 | 上げ裏には原則として石を張りません。 |
| 表シール | 石片の剥落防止のため、PC板内の石目地には表シールを必ず施す(空目地にはしない)。 |
2.石材の試験と使用実績を確認する
吸水性や透水性、鉄分による変色を確認し、外部に使える石材を選びます。濡れ色が残る場合は、見え方も共有します。
| 確認する項目 | 条件と確認のポイント |
|---|---|
| 吸水率・透水性の試験 | 吸水率、透水性のデータが無い石材は、試験をそれぞれJIS A 5003 5.3、JIS A 6909 7.13透水試験 B法に準じて行います。 |
| 透水速度 | 透水速度が2,800ml/m2・24hr(稲田石の10倍)を超える石材は、原則として外部には使用しません。使用する場合は必要に応じ濡れ色・エフロなどの発生の有無を確認する汚染試験を行います。 |
| 実績調査と潜在変色性 | 使用実績の少ない石は、実績建物を調査し変色などの不具合の有無を確認します。不明の場合は潜在変色性試験を行い、石に含まれる鉄分によるさびの発生などの不具合が出ないことを確認します。 |
| 追加の分析試験 | 上記試験で判定できない場合は化学成分分析・組成分析試験を行い判定します。 |
| 濡れ色の確認 | 吸水率、透水性の大きい石は、雨などで濡れた後も濡れ色が残るので、採用に当たっては監理者の了解を得ておきます。 |
3.石厚と面積を確認する
石厚は、定着金物の穴あけ方法と穴の位置にも影響されます。穴あけ後に残る石厚を確認します。
| 確認する項目 | 条件と確認のポイント |
|---|---|
| 最小石厚と手加工 | 石材の厚さは25mm以上とします。ただし、シアコネクター取り付け用穴の穿孔をドリルを用いて手で行う場合は、30mm以上とします。 |
| 透水性が大きい石の残存石厚 | 透水性が稲田の3倍を超える石については、穴明け部の残存石厚が 10mm 以上確保できるように石厚を割り増します。 |
| 石材1枚の面積 | 石材の面積は0.8m2以下とします。 |
4.定着金物とシアコネクターの配置を確認する
金物を併用する場合も、それぞれの役割を明確にします。耐力の算定と、二次的な安全確保を分けて確認します。
| 確認する項目 | 条件と確認のポイント |
|---|---|
| 耐力に算入する金物 | 定着金物は、原則としてシアコネクターのみでよい扱いです。また、シアコネクターとカスガイまたはホークアンカーを併用する場合でも耐力算定はシアコネクターのみで行い、これ等の耐力を全体の耐力として加算しません。 |
| ホークアンカー | ホークアンカーはPC板製造時に石を傷める可能性があるので使用を避けることが望ましい(設計者の指示等でやむをえず使う場合は石の中央に1か所とする)。 |
| 石の反り | 定着金物では石のそりを防止できないので、美観上そりが問題になるような場合には本磨きは避けることが望ましいです。 |
| やむを得ない上げ裏 | やむをえず上げ裏に石を張る場合は、カスガイその他の二次的に安全を確保する定着金物を併用します。 |
| 二次的な保持の耐力 | カスガイ等で二次的に石を保持する場合も、試験で耐力を確認し、シアコネクターが全くきかないと仮定して必要本数を決めます。 |
| 穴の深さ・角度 | シアコネクター取り付け用の穴の深さ・角度の管理を確実に行わせ、必要以上に深くならないようにします。 |
| 特殊な金物 | フィッシャーアンカー、ストーンアンカー等の特殊な金物を使用する場合は個別に検討します。 |
| 設計用荷重 | 設計用の荷重条件は、負の風荷重を対象とし、その大きさは、風洞実験などで確認された場合を除き建築基準法施行令第82条の4、建設省告示第1454、1458号(平成12年)によります。 |
| 配置のバランス | 石材の形状に応じて、バランスよく縦・横できるだけ均等になるように配置します。 |
| 配置の向き | シアコネクターは横向き配置を原則とします。 |
| 列数と短辺寸法 | シアコネクターは原則として多数列配置とするが、短辺の幅が350mm以下の場合は、1列配置とすることもできます。 |
5.裏面処理の乾燥・塗布量・穴まわりを確認する
石のしみや濡れ色を防ぐため、裏面処理は型枠に並べる前に行います。塗り残しや金物まわりのピンホールに注意します。
| 確認する項目 | 条件と確認のポイント |
|---|---|
| 処理する時期 | 石の裏面処理は石を型枠に並べる前に予め行います。 |
| 使用材料 | 石の裏面処理用材料は、花崗岩打込みPC板用裏面処理材の1成分型で実績のあるもの(裏面処理材: セメダイン製PM130#等、石裏面の目地処理材:セメダイン製PM165等)を使用します。 |
| 石の乾燥期間 | 裏面処理をする石は、屋内で2日間以上乾燥させます。 |
| 塗布量 | 裏面処理材の塗布量は、500 g/m2以上とし、均一に塗ります。 |
| 定着金物の穴まわり | シアコネクター等定着金物の取り付け部にピンホールができないように取付け用の穴に裏面処理材を充填し、かつ定着金物の周囲に裏面処理材を補充します。 |
| 硬化までの水掛かり | 裏面処理材が硬化するまで濡らしません。 |
| 硅砂の散布禁止 | 裏面処理材の厚さを確保し、かつ傷付けないために、表面には硅砂を散布しません。 |
6.石目地とPC板間の止水・排水を確認する
工場での目地処理と、現場の板間目地・排水経路をつなげて確認します。
| 確認する項目 | 条件と確認のポイント |
|---|---|
| 石目地の乾燥と工場シール | 石の目地は乾いた状態にしてコンクリート打設前に石裏面の目地処理を行い、かつ、原則としてPC 工場内で表側に弾性シーリング材を充填します。 |
| ジョイント形式別の目地処理 | PC板の板間目地を、フィルドジョイント構法(一般にはシールジョイント)とする場合は花崗岩打込みPC板の天端および天端から両側下へ10cm以上、オープンジョイント構法(一般にはガスケットジョイント)とする場合は花崗岩打込みPC板の天端および天端から両下端まで、石とコンクリートの間に目地を設け、工場で弾性シーリング材を充填します。 |
| 板下端の排水 | PC板の板間目地に浸入した雨水は、板下端に排水機構を設けて抜き、石の濡れ色汚染や漏水等の実害がないようにします。 |
7.洗浄・梱包・保管の条件を共有する
製作後も、薬品や梱包材、水の滞留で石が汚染されないように管理します。
| 確認する項目 | 条件と確認のポイント |
|---|---|
| 切断後の洗浄 | 石を切断した後の洗浄は、高圧水で行い、燐酸や塩酸等の薬品は使用しません。 |
| 木材による梱包 | 運搬用に木材で石を梱包する場合は、石に直接接触させません。また、雨などで絶対に濡らしません。 |
| リブ付きPC板の保管 | 裏側にリブがあるPC板のストックは、コンクリート面に水が溜まらないように配慮します。 |
| 表面への塗布禁止 | 石の表面に塗料や吸水防止材などを塗布しません。 |