1.積雪荷重と屋根構成材の耐力を確認する
雪の密度と圧密を含めて設計条件を確認し、部材の強度を計算書と試験データで確かめます。
設計積雪荷重および安全率を設計者に確認し、積雪荷重により屋根材およびタイトフレームなど構成材が塑性変形しないよう考慮します。特に水分の多い雪や根雪は比重ρ=0.5 を超える場合があるので注意が必要です。また、雪降ろしの要否、必要となる積雪深さ(設計者の指示による)について、建築主に文書にて申し送りを行います。具体的には、以下の事項を確認して施工します。積雪荷重は地域特性を考慮し、「どか雪や根雪の圧密」を加味した雪密度とします。
折板の屋根材およびタイトフレームなど構成材は設定した積雪荷重や梁間スパンに見合った板厚さ・タイトフレームの幅及び厚さ・型式等を選定し、専門業者に強度計算書及び強度試験表等を提出させて事前にデータで性能を確認します。
ダブル折板の場合は、断熱金具が積雪荷重を直接受け持つため、その強度と安定性の確認が重要です。その理由は、断熱金具が積雪荷重により変形して、タイトフレームを座屈させる可能性があるためです。したがってその強度をSSR2007に準拠した試験のデータなどで確認をします。(断熱金具は、屋根材メーカーや金具の形状により、強度が大きく異なるので注意)。
豪雪地域にあっては、原則として専門業者の一式責任施工とします。また、設計積雪荷重が折板メーカーのカタログ最高値 5,000 N/m²(5,000 Pa)を超えている場合は、各部材の単体荷重試験だけではなく、原則として屋根構成材による実証荷重試験を行い、総合的な部材性能を確認します(試験結果等で確認できる場合を除く)。はね出しの長い屋根の場合は、軒先にできるつららおよび雪庇の重量を考慮した設計になっているかを確認します。
2.すがもれ・雪庇・凍結への対策を決める
折板の重ね、けらば、谷樋、縦樋を一続きで確認します。
すがもれを防止するために、はぜ締め方式を採用しはぜの内部に定型シーリング材を挟み込みます。重ね方式は上底の内部に定型シーリング材を挟み込むとしても採用を避けることが望まれます。また、軒先部分には落雪防止措置を講じます。けらばの耐風金物(変形防止帯)は雪止めとなり雪庇などができやすいため、FBなど突起のない材料とします。すがもれ防止のためにけらば包み板を2山まで重ね合わせる場合は、下地補強材を用いてたわみを防止するとともに水勾配を確保します。
多雪・寒冷地の谷樋は、雪溜りや凍結により、すがもれを生じることがあるため、樋底面および縦樋管内に融雪ヒーターを取付けます。
3.ダブル折板の音鳴りの仕組みを共有する
熱伸縮による摩擦・ずれと、板の変形による音を分けて理解します。
内部に断熱材をはさんだダブル折板屋根が事務所・店舗などの建築物にも採用されるケースが増え、温度変化による熱伸縮が原因となって音鳴り現象で問題を起こす場合があるので留意が必要です。建物引き渡し時に、熱伸縮によるダブル折板屋根の音鳴りについて、建築主に文書にて申し送りを行います。
| 部位 | 音の傾向 | 発生する仕組み |
|---|---|---|
| はぜ・吊子 | 摩擦音「ギシギシ」「カチカチ」 | 大はぜ・小はぜ、または吊子とはぜがずれる |
| はぜ・吊子 | 衝撃音「ドーン」「ガーン」 | 上折板の伸びにより、はぜと吊子がずれる |
| ドブ底・斜辺 | バックリング音「ポコポコ」「ペコペコ」 | 内部で発生した力がドブ底・斜辺に集中する |
4.音鳴りを低減する材料と納まりを検討する
折板の自由な伸縮と、室内への音の伝達を分けて対策します。
摩擦の発生する大ハゼと小ハゼの間に特殊な緩衝材を貼り、摩擦音の低減を図る。スライド式の可動金具で折板を自由に伸縮させることにより、衝撃音の低減とバックリング音の抑制を図る。断熱金具下に防振ゴムで室内への音の伝達を低減します。天井に吸音材を設けます。