1.仕様と施工分担を先に決める

躯体図を作る段階から防水業者と関連工種を交え、施工要領をそろえます。

屋上の防水は、建物の状況(地域、規模、構造、形状、施工性、保全の難易度)により、種類・仕様を検討し、変更した方が良いと判断した場合は、工事監理者に変更を申し出る。防水層を構成する材料は異種メーカーを混在させません。防水工事は業者の責任施工とし、仕様に応じた保証書を提出させます。躯体図作成時から防水業者、関連仕上げ業者などを含めて、現場の状況に応じた施工要領書を作成します。

施工要領書は、スラブ構造、防水仕様・下地・押え・伸縮目地・パラペット・出入り口まわり・ルーフドレンまわり・設備関連箇所・その他について記載します。デッキプレートスラブ、断熱材(スタイロフォーム等)打込みRCスラブ、軽量コンクリートスラブなど乾燥しにくい下地に露出構法で施工する場合は、原則として絶縁仕様(脱気工法)とします。

2.下地の平滑さ・乾燥・ひび割れを確認する

下地の凹凸と砂粒を残さず、含水率は指定の測定モードとセットで判定します。

立上がり部は強固な下地とし、平滑に仕上げます。アスファルト防水の場合は、スラブと立上がりの入隅部にモルタルで三角形の面取りをします。防水施工前に下地面を総点検して、突起物があれば除去し、不陸はポリマーセメントモルタルで補修して水が溜らないようにします。シート防水の場合は、特に下地を完全に清掃し、砂つぶ等が残らないようにします。

下地は十分乾燥させます。露出防水の場合の表面含水率は、高周波容量式水分計(kett HI-500型または520型)で測定し、コンクリート下地はコンクリートモードで5%以下、モルタル下地はモルタルモードで8%以下であることを確認します。押え層がある場合は、下地が濡れ色をしていないことを確認します。打継個所及び 0.3 mm 以上のひび割れはUカットし弾性シーリング材を充塡します。

3.工法ごとの防水層と保護条件を確認する

シート、アスファルト、ウレタンでは、厚さ、歩行条件、端部の処理が異なります。

アスファルト露出防水で絶縁工法(部分接着)の場合は、風による吹き上がり防止のため、ストレッチルーフィング(幅 700 mm程度)を増し張りし、防水の立上がり部から約500 mm 幅を密着張りとします。トーチ工法で押え層がある場合は、厚さ2.5 mm以上の改質アスファルトシートを2層張りします。シート防水は露出仕様とし、原則として非歩行とします。軽歩行仕様は、厚さ2 mmの塩ビシートを用います。

加硫ゴムシートは鳥害(自然災害)の恐れが高く、使用しません。ウレタン塗膜防水は、通気緩衝シート又は補強布入りとします。厚さは3 mm以上とし、非歩行を原則とします。(軽歩行とする場合は、保護層としてウレタン舗装材を用いる)。

塗膜防水以外の防水層末端部は、金物で押えシーリングします。押え金物は防水業者が使いなれているものを使用し、立上がりに押え層があるアスファルト防水・トーチ工法の場合は、ゴムアスファルト系シール材で、シート防水の場合は弾性シーリング材でシーリングします。また、水切り用あごを設けられない場合は防水層末端部に水切り金物を設けます。

アスファルト防水で平面部のみに押え層がある場合は、立上がり部の防水層がふくれやだれをおこし、防水層の耐久性を低下させるので、防水層表面には保護塗料又は保護板を設けます。また、必ず立上がり入隅部に緩衝材としてコーナークッション材(発泡ポリエチレンなど)を設けます。

防水層の厚さと使用条件の確認
工法・材料確認する仕様
トーチ工法・押え層あり厚さ2.5 mm以上の改質アスファルトシートを2層張り
塩ビシート・軽歩行仕様厚さ2 mm
ウレタン塗膜厚さ3 mm以上。通気緩衝シートまたは補強布入り、原則非歩行
アスファルト露出・部分接着幅700 mm程度のストレッチルーフィングを増し張りし、立上がりから約500 mmを密着張り

4.隅角部と貫通部を補強する

入隅・出隅、防水層上の基礎の下部、ルーフドレン、駄目穴等の打継ぎ部、貫通パイプまわりは、採用仕様に応じて補強張りを行います。

5.ドレンと防水層を連続させる

受皿へのなじみと押え金物の締付けを、工法ごとに確認します。

アスファルト防水の場合、ルーフドレンまわりは密着工法とし、ルーフドレンの防水層押え金物で十分押えます。トーチ工法の場合、あらかじめ増張り用シートに切れ目を入れて張り、切れ目は焼きごてでシール処理します。塩ビシート防水の場合、塩ビ樹脂で被覆されたドレンを打ち込み防水層と受け皿(本体)面を一体に溶着させます。防水層末端部をシーリング材でシールした後、ルーフドレンの防水層押え金物で完全に押えます。(シーリング材は、防水メーカーの指定する材料で、防水業者の責任施工とします)。

ウレタン塗膜防水の場合のルーフドレンまわりは、補強布を用います。防水工事完了時点で、防水工にルーフドレンの防水層押え金物を取付けさせて、なじみ具合を確認します。